南海地震対策の第一歩

南海地震対策の第一歩

建築設計者として南海地震対策に何ができるか?
ずっと考えてきました。
阪神淡路大震災の折に調査ボランティアに行ったときの経験からです。
地震は地域も個人生活も破壊します。
昨年の311以降その思いが更に強まりました。
岩手県に震災調査に行って、惨状を目の当たりにして、
できるところから南海地震対策に取り組もうと思いました。
「大地動乱の時代」と名付けた地震学者さんがいますが、
徳島の地も大地動乱の渦中にあるとおもいます。
そうした中で、
できるだけ人の役にたちたいと望んでいます。
今、
大地動乱から命を守り穏やかな生活を維持しつづけられる対策をとることは緊急性が高いとても大事なことと思います。
南海地震に襲われたときに建物が倒壊や大破すると生命と財産を一瞬のうちに失う危険性があります。
命を失わないまでも、住む家や業務の場を失うことになれば、その結果、生活基盤が大きく損壊します。
しかし、
阪神大震災などの大震災の時にも、倒壊や損壊して使えなくなる建物もありましたが、
一方、少々被害を受けても短期間で補修してそのまま使い続けられた建物も多くありました。
地震で倒壊などの大被害を被ると復旧への莫大な費用と時間が必要となり生活へのダメージが大きくなりますが、
少々の被害ですと復旧費用は少額で短期間で補修を終えて健全な生活を維持できます。
ですので、
大震災が発生する前に、震災後も建物を補修して使い続けられる耐震性能のレベルにしておくことが、
大地動乱の時代を生き抜く知恵、道であると思います。

そのために、有効な技術として、耐震診断・耐震補強設計・耐震補強工事があります。
徳島でも近年公共建築の耐震診断・耐震補強は急ピッチで進められてきました。
しかし、残念ながら民間の建物や住宅の耐震診断・耐震補強はあまり進んでいません。
理由の一つに、耐震補強についてあまり知られていないことがあると思います。
耐震診断・耐震補強設計サービス、耐震補強工事がどのようなものか、いろんなレベルでのメニューをわかりやすくご説明した小冊子を準備中です。