マンション被害の「重い現実」

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目次
【生きる建築をつくるポイント1.大震災に強い建築にする。】
【生きる建築をつくるポイント2.魅力が持続するデザイン「いき」の建築にする。】
【生きる建築をつくるポイント3.機能更新を受容できる建築にする。】

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仙台市マンション被害の「重い現実」――「倒壊0棟」から「全壊100棟」へと評価が大逆転」
この記事を読んで、東日本大震災で、マンション被害は事実上多かったことを改めて知った。
被害の事実は同じなのに、「倒壊0棟」と「全壊100棟」の数字がでる不思議。
これは常識的におかしいとおもう。
私たちは建築基準法を根本から見直す時期が来ているように思う。

マンションの購入を考えられている方、マンションに居住する方、マンションをつくり販売される方・・建築設計者、建設会社、行政の方・・皆さんにこの記事を読んで欲しい。


仙台市マンション被害の「重い現実」――「倒壊0棟」から「全壊100棟」へと評価が大逆転 (日経BP)
建築&住宅ジャーナリスト 細野透 2012年 1月12日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20120110/295713/

伝わりにくかった「真実」
 
 東日本大震災による仙台市のマンション被害は、当初は「倒壊0棟」と認識されていた。しかし、最近では一転して、「全壊100棟」と認識されるようになってきた。

 これは、被災当初の「倒壊0棟」という数字が、間違っていたためなのだろうか。いや、「倒壊0棟」という数字と、「全壊100棟」という数字は、ともに正しい。なんともヤヤコシイ、複雑で深刻な事態に陥ったのである。

 現状を正しく把握するために、これまでの主な経緯を振り返る。

【第1段階─「マンションは地震に強かった」】

 2011年4月21日、社団法人・高層住宅管理業協会は、東北6県で会員社が受託するマンション1642棟の被災状況を発表。「大破0棟、中破26棟、小破283棟、軽微1024棟、被害なし309棟」とした。また、大破よりひどい「倒壊」も0棟だった。

 「倒壊0棟、大破0棟」という数字を見て、不動産業界を中心に安心感が広がり、「マンションは地震に強かった」とする「誤ったイメージ」が広がった。ここまでが、いわば第1段階になる。

【第2段階─「キラーパルスが弱かっただけ」】

 被災直後の大混乱が少し落ち着き、事態を客観的に眺められる時期になったころ、ようやく注目されるようになったのが、東京大学地震研究所の古村孝志教授、および筑波大学の境有紀教授などが発表した「キラーパルス(破壊的強震動)の実態」である。

 古村教授や境教授は、東日本大震災で発生した地震動を分析すると、建物に最悪の被害をもたらす周期1〜2秒の「キラーパルス」が、阪神大震災の2〜5割にとどまったと説明した。そのため、「マグニチュード9、震度7」の巨大な地震であった割には、全壊した建物は少なかったのである。

 この事実をいち早く伝えたのは、専門紙「住宅新報」2011年5月17日号に掲載された「“マンションが地震に強かった”は誤解」と題する筆者による解説記事である。この記事によって、「マンションは地震に強かった」わけではなくて、「キラーパルスが弱かっただけ」という実態が、ようやく広く認識されるに至った。ここまでが第2段階になる。

【第3段階─「マンションは地震に弱かった」】

 これに対して2011年9月13日、NHKテレビ「けさのクローズアップ」は「被災マンション、進まない復興」の中で、「仙台市ではマンション100棟以上が全壊と認定された」と報道。地方紙や全国紙にも「全壊認定100棟」とする記事を見かけるようになった。

 NHKや各紙が「全壊100棟」と報じたのは、仙台市が被災者生活再建支援法に基づいて発行する、マンションの「罹災証明書」の数を根拠にしたものだ。

 2011年10月28日に発行された日本マンション学会誌『マンション学』(第40号)は、「全壊」に苦しむ仙台市のマンション実例を数多く掲載。「マンションは地震に弱い」、「マンションは怖い」という心理的不安が生まれているとする、切実な声を紹介した。


建築学会の基準」と「内閣府の基準」とのかい離
 
 この3段階を経て、仙台市のマンションは「倒壊0棟」でありながら、「全壊100棟」でもあるという、深刻で奇妙な状態に陥った。考えるまでもなく、「倒壊0棟」という言葉の持つイメージと、「全壊100棟」という言葉のイメージは、天と地ほどに異なる。なぜ、こんな結果になったのだろう。

 実は、高層住宅管理業協会の調査は、「日本建築学会の被災度判定基準」に従ったものである。一方、仙台市が罹災証明書を交付するための調査は、「内閣府が定める災害に係る住家の被害認定基準」に従っている。

 そして、2つの基準には大きな「乖離(かいり)」がある。

 その乖離について研究した主な論文が2種類ある。まず、宮腰淳一、林庸裕、福和伸夫「建物被害データに基づく各種の被災度指標の対応関係の分析」が示す、「木造建物の被害」に関するかい離結果である(表は「資料4」p30から抽出)。

図1


 驚くべきことに、建築学会の判定基準が「小破、中破、大破、倒壊」とした建物が、罹災証明書の認定基準では「全壊」と認定され得るのである。また、「無被害、被害軽微、小破」でも、「半壊」と認定され得る。

 次に、高井伸雄、岡田成幸「地震被害調査のための鉄筋コンクリート造建物の破壊パターン分類」が示す、「鉄筋コンクリート造建物の被害」に関するかい離結果である(表は「資料13」p73から抽出)。

図2


 この論文によると、建築学会の判定基準が「中破、大破、倒壊」とした建物が、罹災証明書の認定基準では「全壊」と認定され得る。

 話が複雑になるので詳細は省略するが、「鉄筋コンクリート造マンション」の場合には、2種類の研究結果のうち、前者(宮腰淳一、林庸裕、福和伸夫)の方が良く当てはまるケースが多いようである。

 これは、同じ鉄筋コンクリート造であっても、オフィス、商業ビル、学校などと比較して、マンションには細かな造作(ディテール)が必要になる部分が多いため、と推測される。

建築学会「判定基準」の詳細
 
 建築学会の判定基準は次のようになっている。

 (1)倒壊──少なくとも、倒壊した部分は、解体して建て直す必要がある。
 (2)大破──解体、または大規模な補強工事を必要とする。
 (3)中破──部分的な補強工事、または補修工事を必要とする。
 (4)小破──構造体を補強する必要はないが、非構造体の補修は必要とする。
 (5)軽微──仕上げ材の補修を必要とする。
 (6)無被害──若干のひび割れがあっても、補修は必要としない。


 これだけでは分かりにくいので、もう少し詳しい資料も紹介する。(「資料1」p6を抽出)

図3

罹災証明書「認定基準」の詳細
 
 これに対して、罹災証明書の認定基準は以下の通りである。

 (1)全壊──住家がその居住のための基本的機能を喪失したもの。すなわち、住家全部が倒壊したり、損壊が甚だしいため、補修しても元通りに再使用することが困難なもの。

 具体的には、住家の損壊が延床面積の70%以上、または住家を構成する主要な要素の損害割合が50%以上に達したもの。

 (2)半壊──住家が居住に必要な基本的機能の一部を喪失したもの。すなわち、住家の損壊が甚だしいが、補修すれば元通りに再使用できる程度のもの。

 具体的には、損壊部分がその住家の延床面積の20%以上70%未満、または主要な構成要素の損害割合が20%以上50%未満のもの。

 (3)大規模半壊──半壊の内、損壊部分がその住家の延床面積の50%以上70%未満、または主要な構成要素の損害割合が40%以上50%未満のもの。

 そして、ほとんど知られていないのが、被災後に行われる調査が、おおむね5種類もあることだ。(「資料9」p7から抽出)

図4

玄関のドアが開かなくなったとき
 
 建築学会の判定基準と、罹災証明書の認定基準は、なぜ大きく食い違うのか。

 理解しなければならないのは、建築学会の判定基準は、主に「建築の構造体(柱、梁、壁)の損傷」と「人間の死傷」の関係に注目していることだ。換言すれば、建築基準法が求める「大地震により建物が倒壊して、人間を死傷させてはならない」とする耐震基準に基づいている。

 これに対して、罹災証明書の認定基準は、主に「被災後の生活をどう建て直すか」という、被災者の生活実感に基づいている。このように、2つの基準は、目指す方向が違っているのである。

 2つの基準の「判定、認定」結果が大きく異なるのは、例えば玄関ドアの被害である。

 鉄筋コンクリート造のマンションで住戸の玄関に金属製のドアを取り付けるとき、おおむね、次のような方法で行う。

 (1)まずコンクリートの壁に穴を開け、その穴にドアの枠を固定する。
 (2)さらに、その枠とコンクリートの間にモルタルを充てんして、ドアの枠とコンクリート壁を一体化する。
 (3)通常、ドアと枠の間には、3ミリ程度の隙間がある。

 大地震でコンクリート壁が変形すると、ドアの枠も一緒に変形する。そして、枠の変形が3ミリを超えると、ドアは開かなくなる。

 このとき、ドアの枠が3ミリ以上変形しても、建築学会の基準によると、判定は、せいぜい「軽微、小破」どまりである。しかし、ドアが開閉できなければ住民は生活できないため、罹災証明書の基準では「住家が居住に必要な基本的機能の一部を喪失したもの」として、少なくとも「半壊」と認定されることになる。

阪神・淡路大震災の真実
 
 覚えている人がいるかもしれないが、阪神・淡路大震災では次のような事実があった。

【マンションの被害(東京カンテイ調査)】

 (1)大破──83棟(そのうち新耐震物件10棟)
 (2)中破──108棟(新耐震物件41棟)
 (3)小破──353棟(新耐震物件173棟)
 (4)軽微──1988棟(新耐震物件1棟)
 (5)無被害──2729棟


【被害後の対応(東京カンテイ調査)】

 (1)大破83棟──64棟を建て替え(そのうち新耐震物件5棟)
 (2)中破108棟──31棟を建て替え(新耐震物件6棟)
 (3)小破353棟──14棟を建て替え(新耐震物件2棟)
 (4)軽微1988棟──6棟を建て替え(新耐震物件1棟)


 阪神大震災の後に、大破したマンションが建て替えられたのはまだしも、中破、小破、軽微にとどまったケースでも建て替えが発生したことに注目しなければならない。

これは、建築学会の判定基準では「小破や軽微」であっても、マンション居住者の生活実感から見ると「居住のための基本的機能を喪失した状態」だったからである。

 罹災証明書の認定基準は、このような生活実感に対応したものになっているため、東日本大震災では「倒壊0棟」という評価が、一転して「全壊100棟」へと変わってしまったのである。

 (なお、東京カンテイ調査のうち、「大破」は、建築学会判定基準の「倒壊」と「大破」を含んだものになっている)。

東日本全体では「全壊200棟」「半壊1000棟」か

 
 被災当初、高層住宅管理業協会の「倒壊0棟」とするデータが伝えられたため、「マンションは地震に強い」とするイメージが広まった。

 しかし、実際には、仙台市において「全壊100棟」と認定された。評価が逆転したからには、「マンションは地震に弱かった」という現実に、正面から向き合わなければならない。

 その手始めに、高層住宅管理業協会による調査結果を精査することにしよう。同協会は、2011年4月21日に東北6県にあるマンションの被災状況を公表したのに続いて、2011年9月21日には関東7都県の被災状況を発表した。

図5

 日本マンション学会誌『マンション学』(第40号)によると、「仙台市内のマンションで、半壊以上の認定を受けたのは、正式には公表されていないが400棟以上に及んでいるともいわれている」(56ページ)。すると、仙台市内では、「全壊100棟」「半壊300棟」ということになる。

 この数字から類推すると、東北および関東のマンション全体では、少なめに見ても、「全壊200棟」「半壊1000棟」に達している可能性もある。

 特に注目したいのは、高層住宅管理業協会の被害集計で、新耐震物件が、中破44棟のうち34棟(77%)、小破1184棟のうち941棟(79%)を占めていたことである。すなわち、多くの新耐震物件が、罹災証明書の認定基準によれば、「全壊」「半壊」と認定され得るのである。

 おそらく、この事実に気づかないで、最寄りの市町村に「罹災証明」の申請をしていないマンション管理組合もあったと思われる。ちなみに、仙台市の場合には、罹災証明の申請窓口は昨年12月28日に終了した。

被災状況報告書の詳細
 
 高層住宅管理業協会の被災状況報告書(2011年9月21日)はこう綴る。

 (1)建物本体または住戸が被災し一時的に使用不能になったものは11棟。
 (2)集会所、立体駐車場、自走式駐車場等建屋が傾いたり破損したりして、一時的に使用不能となったものは27棟。
 (3)タワー式駐車場や機械式駐車場等の機が損壊して、使用不能になったものは87棟。
 (4)マンション敷地内のライフライン地盤沈下等の原因で損壊し、復旧等の為の工事を要したものは797棟。
 (5)受水槽・高置水槽の被害は33棟に“発生”。そのうち、24棟で水槽本体の破損または傾きがあり、補修で対処できたのは19棟、システムを変更したもの は5棟だった。復旧には1か月以上要したケースもある。(仙台市周辺106棟のみのサンプル調査)
 (6)エレベーターは 、設置していた102棟全てで停止した。復旧は当日復旧が3件、2日〜3日が大半で、1棟はロープ交換のため1週間かかった。(仙台市周辺106棟のみのサンプル調査)


マンション学会誌特集号の「悲痛な叫び」
 
 日本マンション学会誌『マンション学』(第40号、2011年10月28日発行)は、丸々1冊「東日本大震災の復興を考える」特集号だった。

 その中で、宮城県マンション管理士会会長の萩原孝次氏による「宮城県におけるマンション被災」が悲痛である。

 「東日本大震災の被害で特徴的なのは、亀裂やクラックなどというレベルを超えた、外壁のせん断破壊(崩落)の多数発生である。マンション管理センター通信2011年5月号に掲載された、ある建築専門家の言によれば、『雑壁とエキスパンションジョイントは、壊れても良いところが壊れた』とのことであるが、はたして本当にそうなのか」

 「外壁のせん断破壊(崩落)は、それ自身でコンクリート塊の落下を伴い、開口部の損壊(玄関や窓サッシの開閉不能)が発生し避難できなくなる。これにより、住家の機能喪失となり、心理的不安と相まって、避難者が続出することになる。復旧工事計画にもよるが、おそらく1年間は当該住戸に戻れないであろう」

 上記の2項目は、建築学会の判定基準が、マンション居住者の立場から見ると、ある意味で「現実離れ」しているため、居住者が悩まざるを得ないことを訴えている、と受け取れる。

築2年なのに補修費用が1戸当たり200万円
 
 萩原氏の指摘はさらに続く。

 「こうした被災は、たとえば、仙台市泉区のPマンション(築2年、50戸)では、補修費用は約1億円、1戸当たり200万円であり、これには専有部分の補修費用は含まれていない。この多額の補修費用の負担と、罹災証明での『全壊』認定は、当然のことながらマンションの資産価値に大きな影響を及ぼすものである」

 「これまで一部の建築専門家は、住宅機能を担っている非耐力壁を『雑壁』と称してきたが、柱と梁さえ問題なければ、補修費用負担と資産価値はどうでもよいということにはならないであろう。区分所有者がマンションに期待しているのは、地震に強く、安全・安心で快適な都市住宅であり、適正な資産価値である。それらを失わせる被災は深刻なものと考えざるを得ない」

 わずか築2年のマンションで、1戸当たりの補修費用が、共用部分だけで200万円である。また、「全壊認定」により、マンションの資産価値は大きく低下する。

 このように、被災から1年も経っていないのに、マンションに対する評価は、「地震に強い」→「キラーパルスが弱かっただけ」→「地震に弱い」「怖い」と一変した。厳しい現実を直視し、的確に対応していく必要がある。
以上

栃木県宇都宮市でのアパート震災被害によるトラブルです。
東日本大震災による被災で生じた事件のようです。震災被害の痛ましい事件として本ブログに留めておこうとおもいます。

宇都宮・切りつけ:アパートの管理巡りトラブルか
毎日新聞 2012年05月19日 12時03分(最終更新 05月19日 16時55分)


 宇都宮市の不動産会社「大京ホーム」で3人が刀で切りつけられ重傷を負った事件で、逮捕された桑田一二三(ひふみ)容疑者(63)=殺人未遂容疑=が「(会社と)物件を巡ってトラブルがあった」と供述していることが19日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、桑田容疑者は宇都宮市清原台にアパートを所有し、同社が管理していた。東日本大震災でこのアパートが被害を受けたため、対応を巡って恨みを募らせたとみている。

 清原台周辺は震災で、小学校の校舎が傾くなどの被害が出た。

 県警によると、桑田容疑者は18日、日本刀のような刃物(刃渡り約70センチ)をゴルフクラブのケースに入れて来店。男性社長(65)ら3人を次々と切りつけた。社長は左腕を切断されたが、縫合手術を受けたという。【松本晃、中津成美】

沈降と沈下に対する建築対策

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沈降と沈下に対する建築対策

地震で生じる地盤の変化に沈降と沈下があり、違うものです。
沈降は、地域の広大な面積で地面が海面に対して低下することです。海抜が下がるので、地域全体の排水など様々な面で
甚大な影響がでます。
沈下は液状化により地下水が地上に噴き出して、地盤が下がることで、建物や道路、下水管などに影響が出ますが、
海面に対して地盤全体が下がるのではありませんから、建物の沈下を復元するなどの処置で機能回復は可能です。
いずれにしても、
沈降も沈下も大変な被害をもたらしますから、国により、沈降や沈下が生じる地域では、建物やインフラ整備に規制を
かけることを今後は検討する必要がありそうです。
日本の多くの都市は河川のデルタ地帯にあり、地盤の沈降や沈下による被害が発生する可能性が高いのですが、一方、
地勢的に生産性が高い土地で、生活しやすい土地ですので、放棄して安全な地盤に移転するのではなく、
建物やインフラをコンパクトに集合化して地盤の沈下や沈降、津波などの被害を最小化する都市づくりをすすめるという考え方があります。
例えば、住宅を考えますと、
戸建て住宅を建てる場所は安全な地盤のところに限定し、津波、沈下、沈降のリスクが高い土地はでは集合住宅のみ許可するという規制の方法があるとおもいます。
韓国の住宅政策は戸建て住宅ではなく集合住宅を重視していて、1戸の床面積は最低100m2以上としているそうです。が、日本の分譲マンションの平均面積は75m2程度で狭いのが現状です。日本の戸建て住宅の面積は125m2と広いのですが・・・。日本も大地動乱の時代、地震国日本で安全安定した生活を継続するために、災害に強い集合住宅を1戸面積を最低100m2、平均125m2程度に引き上げて建てる住宅政策に転換することを考える時がきているように思います。
1960年代〜1980年代頃には、意欲的な集合住宅が提案され建てられましたが、1990年代頃からは、決まり切った
マンションメーカーの最大利益確保することを前提にした分譲マンションが類型化して全国を席巻しております。
空間的、面積的に優れた集合住宅による街づくりへの転換を計画してすすめるようにしたいものです。

マチ☆アソビ〜トマトの種蒔き

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マチ☆アソビ〜トマトの種蒔き

GWの中日。東京から帰ってきている息子と、マチ☆アソビで賑わう水際公園〜東新町を散策した。
コスプレに興ずる若者が大勢集まっていた。アニメ映画館では「桜の温度」という短編映画を見た。満席だった。
東新町は賑わっていたが、マチの多くの店舗が閉まったシャッター街という奇妙な風景でした。
マチが賑やかで、多様な店が開いていることは、マチが生き続けることに不可欠です。
なんとかならないものでしょうか。
マチ☆アソビが通年化すると賑わいが定着するとおもいます。
そのためには、
マチが昭和レトロ、というか1960年代の香りがする、オタク文化のメッカのマチに変身すれば〜と空想した。
コスプレが似合う街並み。コスプレのままにショッピングしたり、お茶したりして楽しく遊べるマチ。
もちろん、コスプレをしない人が多いだろうけれど、コスプレの人が違和感なく遊べるマチであればOK。
そのようなマチには、大勢の人がアソビにやってきて活気がみちるでしょう。
横で、息子が「中野ブロードウエー」のようなマチになればいいのでは〜と呟いたの聞いて、
私は「徳島アニメブロードウエー」ってマチにしたらどうか・・などと考えた。

夕方、畑にトマトの種を蒔いた。
土を耕すエネルギーも時間も無いので、水耕栽培だけど、なんとか農作に着手した。
今後、小松菜などの菜っぱ類やハーブなどに栽培を拡大する予定です。
数年前から農作をしようと思ってきたが、5月4日はようやく実現した記念すべき日となった。

住宅の仕事では、ときどき、家庭菜園や果樹を育てている家に出くわす。
そして、旬のおいし野菜や果実を食べる楽しさをお聞きする。
「生きる建築」は菜園をもつものだと憧れてきた。私の家もその仲間入りができるだろうか?
今後、随時、農作の経過も書いていきたい。

潜在植生がわかるサイト。ドングリを拾い苗を育てる。

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潜在植生がわかるサイト。ドングリを拾い苗を育てる。

徳島の潜在植生がわかるサイトをご紹介します。
全国を網羅した植生調査情報提供ホームページの中の徳島の欄です。
http://www.vegetation.jp/miru/block/36.html
徳島の各地の植生図を見ることができます。

城山で10月〜11月頃ドングリを拾い、ポット苗を1年〜1年半かけて30センチ〜50センチに成長させて、
それを植樹しようと思います。
2012年、今年の秋にドングリを拾い苗を育て初めて、2013年の秋に植樹できる息の長い事業になりますが、
毎年継続して、少しずつ、潜在樹木を育て徳島の地に植えつづけることを楽しみたいと思います。

「森の長城」が日本を救う。列島の海岸線を「命の森」でつなごう!・

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「森の長城」が日本を救う。列島の海岸線を「命の森」でつなごう!・宮脇 昭著を読んで

『震災ガレキの上に緑の防波堤をつくる。大地震、大津波原発災害に沈むこの国を蘇らせるには、「鎮守の森」を守ってきた先人たちの知恵と、土地本来の木々の力に頼るしか道はありません。』との帯びタイトルを目にして、読むことになった。
昨年の3月11日の東日本大震災以降、三陸海岸の被災地を巡って津波に破壊された建物や町を目の当たりにして、いったい日本の海岸線では、どのように建物を建て、維持し、町をつくって住み続ければいいのだろう?と自問し続けてきました。
津波が来ない高台に移転などという計画案を目にすると、本当にそれでいいのだろうか?漁師さんが海と離れたところに住んで、海という職場に通うという発想には釈然としない。インフラ整備が無い場所に膨大な予算を投下して高台移転などしないで、壊れたインフラを再建して海のそばに安心して住み続けることを考え、実行することこそがやらなければならないことじゃないか?と思っても、さあどうすればいいのかわからなかった。それへの解答を提示した本だと思う。
成る程!と共感したところをご紹介します。
『海岸や河口付近の低地で津波にあったり地震で破壊されたりしたのだったら、高いところへ行けばいいじゃないか。高台に家や工場をつくって対応をすればいい、などと安直に言います。しかし、私たちがこれまで生きてきた歴史を見るときに、日本はもちろんのこと、世界中どこでも、いちばん人口が過密で発展している都市や産業立地は、交通施設はすべて、海岸沿いか河川沿いの低地です。それは、生物生産性が高い潜在自然植生に基づき、また水産資源も豊かであることによっています。同時に、このような沖積低地や段丘は、上流の森から長い時間をかけて流れてきた有機物が豊かな土壌をつくっています。・・特に急斜面の山地の多い日本の国土では、海岸や河川沿いが、いちばん住みやすいところであるためです。したがって、農作物も果樹もあるいは木を植えて森をつくるのも、最も理想的な場所なのです。人間が定住しても、住みやすい場所なのです。今、無理して高いところに限られた予算をたくさんつぎ込んで、住宅公共施設、工場などの職場をつくったとしても、10年、20年たったとき、必ず再び一人下り、二人下り、最終的には企業も行政機関も学校も、さらには病院まで低地に下りてくるはずです。・・・次の氷河期が来るであろうと予測される・・1万年もつような、環境や経済、社会を目指すのです。わたしたちの遺伝子をつなげ、つむいでいく何世代も先の子孫までが、間違いなく生き延びていき、しかもできるだけ豊かな生活を維持できるようにするために。・・・
では、どのように対応するか。まさに「無知は罪悪、知は力なり」です。現在、処置に困って大騒ぎしているのが、いわゆる震災ガレキです。大変な国家予算、国民の税金をつぎこんで、焼いたりどこかにもっていって埋めようとしたりしています。これらは生態学的にいえば、森をつくる地球資源であります。・・・・
従来通りの小手先の対応ではなしに、海岸沿いにガレキを土と混ぜて、南北300?、できればそれ以上の「森の長城」をつくる。・・・ガレキの90%以上は流木や廃材などの泥にまみれた木質性の、一見つかいようのないものです。あるいは家屋の土台などのコンクリートやレンガなどがありますが、じつはこれらはいずれも、森を再生するには、最も豊かでかけがえのない地球資源なのです。これらをできるだけ大きく深い穴を掘って発生した土と混ぜながら、ほっこらとした、できるだけ高いマウンドを築きます。このマウンド全体に、土地本来の潜在自然植生の主木を主に、混群の充満した樹高30〜50?のポット苗を、自然の森の再生システムに沿って、混植・密植していきます。こうして、南北300〜400?の、いのちを守り、地域経済と共生する森をつくる。・・・いうまでもなく、植物の混群は呼吸をしています。土にガレキを混ぜた、酸素が充分にあるマウンドでは、土地本来のタブノキスダジイ、常緑のカシ類の混群は、私たちの調査結果でも4〜6」mも地中深く入り、レンガやコンクリートのガレキw根が抱いて、台風や津波でも倒れません。木質などの有機物は、ゆっくり文分解して森の成長を促進・確実にする養分になります。』(「森の長城」が日本を救う 宮脇昭 から抜粋)

三陸海岸を緑の長城にして千年の復興の基盤をつくるという発想、提案です。実現が望まれます。
この提案は復興だけではなくて、南海地震による被災が確実に発生する南海の海岸線の地域と内陸部にも事前の減災事業として有効でしょう。
現在、南海道の海岸線の町でも日常的に建築廃材が産まれ、その処理には膨大な費用がかかっています。焼却したり埋めたりすることによって生じる広義の環境問題、リサイクルする費用の高額化などの多くの課題があります。南海道の海岸線にも、これらの木質系とコンクリート系の廃材をつかい津波に負けないマウンドをつくり潜在植生の木を植えて「森の堤防」を築くことを進めることを提案したいと思います。それは、実現可能な本当の意味での地域循環の土木事業であり、地域経済と環境を再生することにつながると思います。森から流れる養分で漁場も豊かになることでしょう。海が豊かになることが、地域再生につながると思います。

私も、自分でできることから「鎮守の森」づくりに取り組もうと思います。
事務所の庭で徳島の潜在植生のポット苗を育て、設計して建てる建築物の竣工お祝いとして庭や外構に数本自分で植えさせていただくことからはじめようと考えています。


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津波避難ビルとなる集合住宅

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*長く愛されつかい続けられる建築を「生きる建築」と考えています。
ブログ本「生きる建築」
http://www.nonose.jp/about/photo/1333257052t0-file5.pdf

目次
【生きる建築をつくるポイント1.大震災に強い建築にする。】
【生きる建築をつくるポイント2.魅力が持続するデザイン「いき」の建築にする。】
【生きる建築をつくるポイント3.機能更新を受容できる建築にする。】

〈株式会社野々瀬建築都市設計事務所http://www.nonose.jp/

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津波避難ビルとなる集合住宅

1500人が避難する津波避難ビルとなる集合住宅を計画しています。
避難スペースは一人1m2で計算すると1500m2必要となります。
4階以上の共用廊下と屋上などを避難スペースとして計画します。
この計画地は徳島市で、想定津波高は7mです。

県南の漁師町は南海大震災の津波で壊滅する可能性が指摘されています。
高台に町を移転するにも、町内には移転できる土地が少ないようです。
山を造成して土地をつくるとなると造成費用が嵩みます。
一つの解決策として、
津波避難ビルとなる高層の役所+町営住宅+学校+病院の複合建築を町中に数棟建てる方策があるように思います。
津波がくれば町中の人が避難できるスペースを用意します。
津波で下層階は大きな被害を受けるでしょうが、構造体がしっかりしていれば、復旧は比較的に早いでしょう。
コンパクトな新しい漁師の町づくりです。
このような現代の建築計画と技術で、
津波の被災を受けても、命と大切な物が失われないようなまちづくりはできると考えます。
海辺で海と共に生きる生活文化を継続する方策としていかがでしょうか?

防災はハザードマップの確認から

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*長く愛されつかい続けられる建築を「生きる建築」と考えています。
ブログ本「生きる建築」
http://www.nonose.jp/about/photo/1333257052t0-file5.pdf

目次
【生きる建築をつくるポイント1.大震災に強い建築にする。】
【生きる建築をつくるポイント2.魅力が持続するデザイン「いき」の建築にする。】
【生きる建築をつくるポイント3.機能更新を受容できる建築にする。】

〈株式会社野々瀬建築都市設計事務所http://www.nonose.jp/

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防災はハザードマップの確認から
大震災時の被害予測を知ることから防災対策は始まります。
南海地震発生が心配されていますが、
意外と被害予測を知らない方が多いようです。
被災しない可能性もあるので、
真剣に災害を捉えられないのかもしれません。
しかし、被災が現実のものになると悲惨なことになります。
私たちは、
天災をのり越えられる建築、町を実現できないか・・・と考えています。

国土交通省の日本中のハザードマップポータルサイトhttp://disapotal.gsi.go.jp/index.html

内閣府HPの都道府県による地震被害想定調査結果(概要)
http://www.bousai.go.jp/jishin/gyomukeizoku/todoufuken.html