F5 流動する建築を聴きました。

F5 流動する建築を聴きました。

「建築は凝結する音楽といわれているが、音楽を流動する建築と呼ぶこともできる」と九鬼周造は書いている。
ドイツを根拠地にしてヨーロッパで活躍するピアニスト原田英代さんhttp://www.haradahideyo.com/リサイタルを聴いた。
シューベルトの「楽興の時 D780」「3つの小品 D946」「ピアノソナタ 第21番 変ロ長調 D960」の2時間弱の濃密な演奏。
感動した。本物の流動する建築の中を生きた。

音楽の神に入神状態のような全身全霊状態で、
右手と左手の指が鍵盤上を舞う。指の動きは、テンポ、リズム、強弱が右手と左手全く違って舞う。その動きの絶妙な対比から、シューベルトの流動する建築が顕現した。

スタジオピクニックというこじんまりとした瀟洒なサロンでの演奏会だったのも良かったのだろう。
東京の大ホールでの演奏会「11月19日(水)・・・シューベルトの命日 浜離宮朝日ホール(東京)」控えての、贅沢この上ない音楽会だった。