家の広さ、グリッド

家の広さ、グリッド

木造住宅はグリッドで計画します。グリッドは半間で構成されます。
この半間の寸法をどうするか?東京間を標準とすると910mmです。1間は1820となります。
このグリッドで部屋をつくると8畳間ですと畳の長辺は約1767mmになります。
伝統的には徳島の家の畳の長辺の寸法は約1900mm程度です。差が13センチ程度あるのです。
1960年代、団地と呼ばれる集合住宅ができはじめた頃、和室を見て8畳といっても6畳を少し大きくしたぐらいの広さしかないので多くの人が驚きました。半世紀を経た今では、1間を1820mmにすることは一般化しています。
私はこのグリッドをどうするか?は大袈裟に言えば生活文化に関わることだと思います。
徳島のゆったりした広い部屋での暮らしの文化を継承するか?
東京標準の部屋での暮らしをするか?
どちらがいいかどうか?の判断は差し控えます。
集合住宅などで育った方には、東京標準の寸法が自然でしょうし、伝統的な徳島の家で育たれた方はゆとりのある寸法の方がなじまれるでしょう。

昔、お父さんの建築家が設計したコンパクトな内外コンクリート打ち放しの住宅で育った女流建築家から、
「コンクリート打ち放しの家でないと不安です」とお聞きしました。育たれた家の影響は大きいのですね。
家を改築したり、新築したり、改装されるときには、ご自分の今まで生活されてこられた家の広さ感をどう継承するか?
変えられるか?を考えられることも大事だと思います。